抄録
本研究では、参加に積極的な住民であれば、自らの手で身近な交通環境を改善することのできる対策として、「抜け道MM」を提案した.車利用者に自発的な交通行動の変化を期待するモビリティ・マネジメント (MM) の手法を援用し、社会心理学の要素を取入れたコミュニケーション技術を用いて、住民から自ら抜け道利用ドライバーに生活道路の通行をやめるよう訴える実験を行った。実験実施後の交通調査からは、実験後1ヶ月に渡って交通量に約1割の削減が見られた。意識調査の結果からは、本実験が抜け道利用者の迷惑の自覚を高めた結果が見られた。また、-参加しない住民からの反対は見られず、意欲のある住民には取組みやすい対策と考えられた。