抄録
災害による道路施設への被害は,直接被害のみならず間接被害という形で全国に波及する.したがって,道路施設の維持管理を適切に行うことは,災害時の道路施設の機能低下による経済被害を軽減する上で重要である.また,道路施設の維持管理計画主体によって維持管理の優先順位は異なると考えられるため,どの主体が維持管理を行うかは維持管理計画を決定する上で重要な要素となりえる.本論文では,わが国の道路施設を対象に,それらの機能が低下した場合の経済への影響を空間的応用一般均衡(SCGE)モデルにより評価することで,道路施設の重要度,維持管理の優先順位を検討した.また,維持管理計画主体として都道府県と国を想定した.