抄録
公営事業に対する規制緩和の流れは,公共性の視点からの評価に留まっていた公営企業に対して,コストの削減や経営効率化などの必要性や事業の経営評価の重要性を高める結果となった.
本研究では,DEA(Data Envelopment Analysis)手法を用いて,地方自治体が独立採算で運営している公営バス事業の効率性を様々な視点から複数の効率性指標により評価を行った. DEA手法は,インプットとアウトプットデータのみで,ある分野の効率性の度合いを評価することが可能な分析方法である. また,DEA手法は目的に応じて,定量的かつ有用な情報を提供することが可能である. 本稿は,公営事業の経営効率性評価に対して,DEA手法を活用するための方法論を提案するものである.