土木計画学研究・論文集
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近代化遺産橋梁の保存決定要因に関する研究 - 旧国鉄佐賀線・筑後川昇開橋を事例として -
榎本 碧高尾 忠志樋口 明彦
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キーワード: 景観, 観光・余暇, 土木史
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2009 年 26 巻 p. 315-324

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抄録

 本研究は近代化遺産橋梁を対象とし、その保存決定の要因を明らかにすることを目的とした。
 研究対象の筑後川昇開橋は、佐賀線の廃止に伴い撤去が計画され、地域住民や自治体が保存要望を提出するなど保存運動が行われ、保存が決定した事例である。
 昇開橋の保存決定の要因は、地域シンボルとして認知度が高く、それによって地元の商業地区住民によって保存運動が起こり、また、地元自治体も昇開橋の観光資源としての利用に向けて、保存に向けた活動を行ったことが挙げられる。また、歩道橋として継続利用することができたこと、そして、保存に必要な撤去費用、維持管理費用、整備費用の財源を確保することが可能だったことが保存決定の要因となった。

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