抄録
北九州市の幹線道路で昼・夜間ともに自動車騒音の環境基準を満たす区間は38%で、騒音への対応は現在でも重要である。本研究では、土木技術者が単独で、また、市民と一緒に騒音への対応を探れる様に、環境基準を遵守可能な幹線道路の交通量を簡易に計算できる方法を提示する。現実には対象地点の条件は様々で、車両平均速度・大型車混入率・環境基準も異なるし、車道端に壁が存在する場合もある。そこで、(1)諸要因に対して基本となる条件を定め、その時の騒音環境容量、(2)現実の諸条件への対処方法を各々示す。適用例として、4車線の国道を対象に、壁を車道端に設置・低騒音舗装などの対策を施せば、騒音の環境基準を遵守可能な沿道の範囲はどの様に変化するかについて示した。