日本世代間交流学会誌
Online ISSN : 2758-5905
Print ISSN : 2185-7946
剣道を通した交流が中学剣道部員の高齢剣道実践者イメージに与える影響
‐SD法による測定と横断分析‐
松本 大祐濱口 郁枝濱口 雅行内田 勇人
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2021 年 11 巻 1 号 p. 31-39

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抄録

本研究は、高齢者との稽古経験を有する中学生剣道部員の高齢剣道実践者の情緒的イメージとその関連要因を明らかにすることを目的とした。 本研究参加者は高齢剣道実践者と稽古 経験を有する中学剣道部員 193名とし、 高齢剣道実践者の情緒的イメージの構造を明らかにすることを目的として因子分析を実施した。 因子分析によって抽出された各因子の得点を高得点群と低得点群に分け、 2 群間で比較分析した後、 ロジスティック回帰分析を行った。その結果、 「評価性」 因子には高齢剣道実践者との「稽古頻度」に有意差は認められず、 「高齢剣道実践者との親密感」、 「共感的関心」 に有意な関連が認められた。「活動性・力量性」 因子には「性別」と「高齢剣道実践者との親密感」に有意な関連が示された。子どもにとって剣道の先生や伝統様式は消極的・否定的であることが指摘されているが、 子どもが持つ興味・関心を理解したうえで、親しみを持って交流や指導することにより、高齢剣道実践者イメージは肯定的に維持され、伝統文化の伝承継承にも繋がることが示唆された。

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