抄録
本研究は、保育者養成におけるクロス・トレーニング・プログラムの実践で行われた「型取り」による造形活動の実践事例を取り上げ、「保育士の専門性」を持った保育者を目指す学生の学びについて、造形の視点から検討を行うものである。その学びの効果に関する検証として、学生の活動に対する行動観察と実習記録における自由記述の質的な分析を通して、以下の点が導出された。
「型取り」の造形活動を通して、「造形 (表現) 技術」、「子どもへの援助技術」、「高齢者への援助技術」、「子ども一高齢者間のかかわりに対する援助技術」について、 学生の学びがみられた。 特に、 「高齢者への援助技術」を獲得することができ、この結果は、これまでの乳幼児への援助を中心とし また実習経験の中では体験できなかったことであり、今回の高齢者とのかかわりが学生にとって新たな 学びにつながった。