2014 年 4 巻 1 号 p. 95-101
本研究では、地域高齢者が若者に抱く世代差意識を把握するとともに、その対処方略を探索的に明らかにすることを目的とした。東京都A区在住の65歳以上の高齢者47名を対象にインタビュー調査を行い、KJ法を参考に質的分析を実施した。その結果、若者に対する世代差意識として、①会話不成立の不安、②価値観の相違、③恐怖や不安感が認められた。さらに、若者に対する世代差意識の対処方略として、 ①行動的方略 (積極的な働きかけ、次世代への忠告・助言)および②認知的方略 (共感的態度、 共有意識の形成)を用いていることが明らかにされた。本結果から、 世代差意識の解消に向けてこれら2つの方略を段階的に使用することが有効 な手段になることが推測される。