2014 年 4 巻 1 号 p. 103-110
本研究は、児童養護施設入所児童に対する世代間交流プログラムが、 児童の高齢女性ボラン ティアと大学生の各イメージに及ぼす影響について明らかにすることを目的とした。 研究参加者は、兵庫県A市のA児童養護施設に入所する小学4年生から6年生までの児童12名(男子6名、女子6名)と地域の高齢女性ボランティア3名 (62歳 68歳 70歳)、 大学生4名(男性2名、女性2名)であった。調査は2012年9月と12月に各1回実施された。 プログラム前のイメージ比較では、大学生における「はやい」「強い」の各得点が有意に高く、プログラム後は 大学生における「はやい」「強い」「大きい」の各得点が有意に高かった。 プログラム前後の高 齢女性ボランティアのイメージ比較においては、「話しやすい」「頼りがいがある」の各得点が 有意に高くなっていた。 里山での交流は児童の抱く高齢女性ボランティアイメージをポジティブな方向に変化させたことが示唆された。