抄録
中国の高齢化は急速に進んでいる。中国国家統計局調査によると、2012年の時点で、65歳以上の高齢者数は1億2714万人(香港、マカオ、台湾を除く) と言われ、 それは人口の9.4%に達している。先進国は、高齢化するまでに百年近くかかった。中国は、成人型社会から老人型社会に変わるまでわずか20年しか経っていない。
本研究は、人口大国としての中国の高齢社会作りへの示唆を得ることを目指し、中国の石家庄市における高齢者の地域社会活動の実態を把握することを目的とした。そこで、世代間交流に焦点を当て、高齢者による地域社会活動について調査・集計したところ、奉仕活動と社会活動への比較的若い高齢者の高い参加傾向が見られた。また、孫世代との同居年数が10から20年程度の高齢者に若者世代との積極的な交流態度が示された。