抄録
本研究の目的は、 高知県土佐郡の聴講生制度に注目し、 関係資料ならびに児童生徒への意識調査から、世代間交流の特徴を明らかにすることである。調査の結果、 「生涯楽習学校」と称される聴講生制度は、「学校応援団」 登録者が小中学校の授業を受けることができる生涯学習推進システムであることがわかった。 制度を受け入れる小・中学生は、そのほとんどが学校応援団の活動等で既に高齢者との交流を経験していた。 高齢者とともに学ぶ体験によって中学生 は、高齢者の思いへの理解や教える気持ちが高まる結果となった。 また 「歴史」 「昔の遊び」 といった小・中学生の教わりたい内容やICTの使い方等高齢者に教えたいことも明らかとなり、 双方向の学びが成立する世代間交流が期待されていることがわかった。