抄録
都市部多世代交流型デイプログラムに参加している高齢者と小学生との間に生じる世代間交流を、聖路加式世代間交流観察インベントリー得点および観察された言動から、高齢者特性および活動内容別に評価した。般高齢者(n=8)に比べて虚弱高齢者(n=5)や認知症高齢者(n=3)は小学生との世代間交流が少ない傾向にあり、特に会話に関連した交流が虚弱、認知症高齢者に少なかった(p=.009)。また活動内容により世代間交流には差が見られ(p.002)異世代と向かい合う活動では交流が多かった。虚弱、認知症高齢者では小学生への注意・関心が断続的で交流に至らないことがあるため、高齢者に対する世代間交流支援では、活動内容を検討するとともに高齢者の心身の状態に応じてコミュニケーションをつなぐ支援の重要性が示唆された。