一口に世代といってもその生活様式はさまざまである。 例えば高齢者世代といった場合、 一定の年齢以上の人を高齢者、後期高齢者と年齢だけで区切って、政策が立てられているが、実 態に合っていない。 現在は、 元気で仕事やボランティアなど忙しく活動している層と認知症やマヒなどによって介護を要する層に二極化してきているからである。 現役を退き、 日常の生活 自体が中心の活動で、 町で気楽に暮らしているという人をあまり見かけなくなってきている。 中年の世代においても生活様式が多様化し年齢だけでの共通性が低くなってきている傾向に ある。 では、年齢以外に何をもって世代の内実を見ることができるのか。 年齢だけではなくその社会におけるその人の生活条件に規定される生活関係の型=主導的活動をキー概念として 生涯発達を考える時、 同年齢内にあるそれぞれの違いと同時に、年齢のみではない世代を規定 する共通性も見えてくるのではないだろうか。 その時、 世代と世代の交流による相互互恵性の 意味もより明確になるのではないだろうか。 ここでは、 主導的活動という概念をもとに、 年齢のみを世代区分の基準にするのではない世代概念の創出の方向を提起したい。