日本世代間交流学会誌
Online ISSN : 2758-5905
Print ISSN : 2185-7946
世代間交流とESD
持続可能な生活スタイルに関する異世代間の対話から
酒井 教子金田 利子川喜田 昌代萩原 元昭
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2018 年 7 巻 1 号 p. 69-77

詳細
記事の1ページ目
抄録

本研究は、世代間交流をより発展させる上でのESD、またESDを発展させていく上での世代間交流について、実際の高齢者と子どもとの対話を通してESDのキー概念となる7つのRとの関わりで明らかにするものである。対話の課題としては、日常的でかつ時代の中で本質が見 えなくなってきていたり、利便性追求の中で、環境悪化につながっていたりしている生活スタイルに関する課題を用意した。プラスティック使用以前の暮らし食べ物はどこから来るか(畑づくりから食べ物へ) と、遊び・おもちゃの3目標を実施したが、ここでは子どもが最も驚くことの多かったプラスティックの課題を中心に取り上げ、他の2項目の結果は考察において関連させることにした。具体的方法は地域の高齢者に園に来てもらい子どもたちが質問し、その間の双方の記録から双方がどのように学びあったかを読みとった。その結果、プラスティックのない時代の対話、水を運ぶ際の工夫や物を運ぶときの様々な工夫が高齢者から語られ、特に風 呂敷という極めて合理的な方法のあったことなどに注目が集まり、子どもは高齢者からESDの基本を学び、高齢者は、ESD を進める上での自身の役割を自覚することができた。またそれらの学びあいは、7つのRにきちんと対応していることがわかり、世代間交流とESDと相互発展的関係の可能性が見いだされた。

著者関連情報
© 2018 日本世代間交流学会
前の記事 次の記事
feedback
Top