日本世代間交流学会誌
Online ISSN : 2758-5905
Print ISSN : 2185-7946
農山村部と都市部における子どもの共食と食事マナーおよび食習慣に関する検討
高橋 睦子津志田 藤二郎白川 愛子
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2018 年 7 巻 1 号 p. 79-87

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抄録

本研究では、農山村部と都市部の小学校2年生および5年生323名における共食と食事マナー および食習慣、併せて保護者の食生活の現状について検討し、 共食状況と地域差の面から食育の あり方について考察した。 その結果、 農山村部の2年生では都市部に比べて朝食欠食率と朝食を 一人で食べる割合が高く、 通学形態の違いによる可能性が考えられた。 2年生と5年生ともに、 夕食を家族全員で食べる割合が農山村部で都市部に比べて高いものの食事時の挨拶は、 朝食・夕 食ともに都市部の方が農山村部に比べて「いつも言う」 割合が有意に高かった。 また、箸をきちんと持てる割合も、都市部で2年生、5年生ともに 80%以上であり農山村部より10ポイント以 上高い割合を示し、 都市部の2年生では有意に高かった。 これらの結果から、 世代間交流による 食育推進において重要な家庭の共食状況は、 都市部と農山村部に地域差が認められ、地域の食生 活環境の違いとともに子どもの食習慣や食事マナーに影響を与えることが明らかとなった。

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© 2018 日本世代間交流学会
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