2018 年 8 巻 1 号 p. 03-09
本研究は、高等学校教師の地域住民への関わり意識に及ぼす要因について検討した。調査協力を得た都立高等学校80校の教師を対象に郵送調査を行い、回収期間内に回収され、かつ欠損値のない135人を分析対者とした。順序回帰分析の結果、「地域住民からのソーシャル・サポート」 が高いほど、地域住民との関わりに肯定的な意識を持ち、「地域住民からのソーシャル・サポート」 および 「職場での協力体制 (協働性)」が低いほど、地域住民への対応に負担感を感じていることが明らかにされた。 こうしたことから、 学校内外での地域住民との関わりが教師の地域住民との関わりに対する理解を促進するとともに、地域や教職員同士の協力体制を築くことが、 教師の地域住民との関わりにおける負担感の軽減につながる可能性が示唆された。