日本世代間交流学会誌
Online ISSN : 2758-5905
Print ISSN : 2185-7946
B.ROGOFFの文化的・社会的発達概念からとらえた世代間交流への示唆
佐々木 剛草野 篤子
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2018 年 8 巻 1 号 p. 11-21

詳細
抄録

本研究は、世代間交流の観点からB.ROGOFF の著書 『文化的な営みとしての発達一個人、 世代、コミュニティー』との関連性関係性を分析し、 検討した。 研究に当たっては、B.ROGOFFの概念を地域コミュニティ構築の内実として示される地域の文化 的な側面や社会的な独自性密着性の観点から検討した。 更に、この概念が世代間交流の基礎研究に 示唆を与えることを検証した。その結果、 BROGOFF の考えには、L.S.VYGOTSKY の 「発達の最近接領域」で説明される学習過程への積極的介入や仲介者等の存在に基づく概念であり、この概念は、我が国の世代間交流の活動 等地域文化との密着性や独自性を示す際の基礎理論として有用な考え方であることが分かった。 さらに、 世代間交流学会誌掲載論文以外の研究で、高齢者と若者世代との関係性やコミュニティ形成過程を取り上げているものを調べたところ、これらにもBROGOFF の考えに共通する地域の独自性や、 生活や文化との密着性の観点が含まれていることが分かった。

著者関連情報
© 2018 日本世代間交流学会
前の記事 次の記事
feedback
Top