抄録
本論文はアスファルト舗装を対象として, 舗装の破損遷移モデルとしてマルコフ連鎖モデルを適用する場合のネットワークレベルでの維持管理計画の最適化について論じたものである.
まず, プロジェクトレベルに関して動的計画法を適用した最適修繕計画の定式化を行った. つぎに等価年間コストの観点からの定式化を行い, 長期的にはこの両者が等しい最適修繕レベルを与えることを示した.
また, 等価年間コストに基づく最適修繕レベルの決定に修繕率の概念を導入することにより, ネットワークレベルの最適修繕計画の決定について複数のプロジェクト問の予算配分問題として定式化を行った.