抄録
列車通過時にバラスト軌道が受ける荷重履歴を模擬した室内要素試験方法の確立を目的に, 粗粒材料を対象としたねじり単純せん断試験機の一種である多重リングせん断試験機を用い, 移動輪荷重により生じる主応力軸の連続的な回転が粒状材料の繰返し変形挙動に及ぼす影響を明らかにするとともに, 移動輪荷重繰返し作用下にある粒状構造物の変形挙動予測に関する多重リングせん断試験の適用性について検討した. その結果, 移動輪荷重繰返し載荷時に道床が受けた荷重履歴を模擬した多重リングせん断試験結果が, 模型試験で得られた道床の繰返し塑性変形挙動に近いことを見出すとともに, 粒状材料で構成される路盤構造の変形挙動予測に適した材料特性の評価方法として, 多重リングせん断試験が有効であることを示した.