抄録
ガス導管等の埋設に伴う道路上の掘削工事において, 路床の埋戻しに建設発生土を利用することは, 環境負荷の低減に大きく貢献する. しかし, 関東地方に広く分布する関東ロームを埋戻しに用いるためには, 輪荷重の繰り返し作用によって路面に生じる沈下特性を調べる必要がある. そこで, 実験室にて関東ロームに対して種々の応力を繰り返し載荷する実験を実施し, その結果をもとに路面の沈下量を予測する手法を考案した. さらに, 実規模にて関東ロームで埋戻した道路に, 実車両を繰り返し通過させる実験を実施し, 車両の通過台数と路面の沈下量の関係を調べた. 沈下量の予測値と実規模実験の計測値を比較した結果, 輪荷重の繰り返し作用に起因する関東ロームで埋戻した路面沈下量を合理的な範囲で予測できることが示された.