抄録
舗装の構造設計に理論的設計法を導入する際の第一プロセスは, 舗装各層の弾性係数とポアソン比を設定することであり, この値はその後の多層弾性解析に大きく影響する. しかし, 積雪寒冷地である北海道では, アスファルトの針入度や, 路盤の粒度などに積雪寒冷地独自の材料規格があり, 舗装各層の弾性係数は温暖な地域と異なる傾向を示す可能性がある. 本研究は, 積雪寒冷地における多層弾性理論の確立を目指し, 試験舗装や道内主要国道におけるFWD試験の計測結果から, 北海道おけるアスファルト舗装各層の弾性係数の範囲について検討したものである. 積雪寒冷地におけるアスファルト混合物層における温度と弾性係数の関係や, 設計に用いるべき路盤の弾性係数の範囲などについて報告する.