2000 年 5 巻 p. 76-85
高温時におけるアスファルト舗装の弾性係数をFWDと同様にたわみ量から推定するために、実路を再現した4種類の舗装断面の大型舗装模型を作成し、アスファルト混合物施工直後・常温・60℃の3種類の温度条件で繰返し平板載荷実験を行った。たわみの測定結果から、施工直後の場合には載荷板近傍のたわみ量が大きいが、温度低下とともに荷重分散能力が回復したわみ量は小さくなる一方で載荷板から離れたたわみ量は若干増加することがわかった。また、実測たわみ量から逆解析によって算定したアスファルト混合物の弾性係数とその平均温度との関係では、既往の実験研究で示されているように、アスファルト混合物層の平均温度が上がるとその弾性係数は低下する傾向が認められた。しかしながら、実験結果ならびに逆解析方法についてさらに詳細に検討する必要性を示唆した。