抄録
梅酢は梅干し生産の副産物であり、梅果実由来の様々な有用成分を含む。本実験では濃縮脱塩梅酢の摂取がシリアンハムスターのトリグリセリド(TG)代謝に及ぼす影響について検討した。6 週齢の雄シリアンハムスター 24 匹を供試し、対照区には高脂肪食を、濃縮脱塩梅酢区には対照食に濃縮脱塩梅酢を 25 ml/kg、50 ml/kg の 2 水準で添加した飼料を 43 日間自由摂取させた。体重等の成長パラメーター、ならびに肝臓中の脂肪酸合成関連遺伝子の発現に対する濃縮脱塩梅酢添加による影響は認められなかった。 しかしながら、シリアンハムスターに高水準の濃縮脱塩梅酢を添加することにより、血清中および肝臓中のTG濃度は減少した。その機構としては、肝臓での脂肪酸β酸化促進が考えられた。