ペット栄養学会誌
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原著論文
歯科処置が糖尿病犬の血糖コントロールに及ぼす影響について
小田 民美森 昭博佐伯 香織栗島 みゆき三村 可菜野澤 聡司石岡 克己左向 敏紀
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2011 年 14 巻 2 号 p. 76-83

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抄録

糖尿病犬はしばしば尿路感染症や歯周病などの感染症に羅患しやすいことが知られている。またヒトの糖尿病患者において、歯周病は血糖コントロールを悪化させるという報告が数々ある。本研究では糖尿病犬に歯科処置を行い、血糖コントロールにどのような影響を及ぼすかを検討した。本学で飼育している糖尿病犬4頭を用いた。血液サンプリングは歯科処置前と歯科処置1、2、3、4週間後に行った。測定項目は、空腹時血糖値 (FBG) と長期血糖コントロールマーカーとして用いられる糖化アルブミン (GA) を測定した。また、炎症マーカーとして腫瘍壊死因子-α (TNF-α) 、CRP、生体内酸化ストレスマーカーとして酸化ストレス度を示すd-ROM、抗酸化力を示すBAPを測定した。GAとCRPは歯科処置前に比べ4週間後で有意に低下した。しかし、FBG、TNF-αには処置前後で有意な変化は認められなかった。d-ROMは処置前後で有意な変化は認められなかったが、BAPは処置前に比べ処置後4週間で有意に上昇していた。以上より、歯科処置が口腔内炎症を抑制し、血糖コントロールを良化させたと考えられる。さらに、炎症の抑制や血糖コントロールの改善が、生体内における抗酸化力を増加させたことが示唆された。

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© 2011 日本ペット栄養学会
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