抄録
近年、プロバイオティクスやプレバイオティクスへの関心が高まっているが、ペッ ト業界では犬の腸内細菌叢や代謝に与える影響についての研究は限られている。本研究では、畜産分野で利用研究が進んでいる Bacillus thermoamylovoraus の近縁種である好熱性細菌 Bacillus hisashii N11T(国際寄託番号BP-863)の経口投与試験を実施し、血中成分、内臓脂肪の変化、 並びに腸内細菌叢の生理的な変化について検討した。
腸内細菌叢の解析の結果、投与後に Firmicutes門の構成比が減少し、Bacteroides門の構成比が増加していた。また、Firmicutes門の中でも特に Clostridium属Cluster XIに属する種が減少していた。この時、CT画像の解析の結果、脂肪領域の減少が確認され、併せて血中の脂肪代謝に関連する分子の変化が確認された。