ペット栄養学会誌
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原著論文
原料由来のフード中Caの増加がネコの糞尿のカルシウムならびにシュウ酸濃度に及ぼす影響の解明
勝俣 昌也塚中 友也西ケ谷 若菜歸山 世理大石 亮鈴木 武人
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キーワード: Calcium, Oxalate, Cats
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2020 年 23 巻 2 号 p. 68-74

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抄録

原料由来のフード中Caの増加がネコの糞と尿のCaならびにシュウ酸の濃度に及ぼす影響を明らかにするために本研究を実施した。乾物あたりのCa濃度が0.7%、1.5%、1.9%となる3水準の試験フードを、おもにフード中のチキンミール含量を高くすることで調製し、体重維持量に相当する量を4頭のネコに給与した。供試ネコは、1歳あるいは3歳の雄ネコで開始時体重3.4~4.3kgだった。飼養試験は、供試ネコを3群にわけ1期30日間の3×3のラテン方格法にのっとって実施した。各期の後半10日間をサンプル採取期間として尿と糞を採取した。Caとシュウ酸の尿の濃度、1日あたりの尿への排せつ量にフードのCa濃度の影響はなかった。一方、フードのCa濃度が高くなると、糞のCa濃度と糞への1日あたりの排せつ量は多くなった(p<0.01)。さらに、糞のシュウ酸濃度はフードのCa濃度の影響を受けなかったが、フードのCa濃度が高くなると、糞への1日あたりのシュウ酸の排せつ量は多くなった(p<0.05)。このように、ネコに給与するフードのCa濃度を高くすると糞へのシュウ酸の排せつ量が多くなることを明らかにした。一方、Ca濃度が高いフードを給与すると血清Ca濃度が低下することも観察したので、さらに長期間の給与により血清Ca濃度がどのように推移するか、今後の確認事項としたい。

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© 2020 日本ペット栄養学会
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