2021 年 24 巻 2 号 p. S19-S20
鹿肉を主原料とする市販ペット用間食46種の鉛含量を調査し、国内の市販ペットフードおよびEUの補助食における鉛基準値と比較した。29種の鉛含量は定量下限を下回っていた。鉛を定量できた17種のうち、国産の1種と外国産の1種は国内の鉛基準値を上回り、この外国産間食はEUの補助食中鉛基準値も大きく上回っていた。多くの間食中鉛同位体分布は報告されている鉛弾の分布の範囲外であったが、鉛基準値を上回った外国産間食はこの範囲内にあった。したがって、この間食の原料である鹿肉が鉛弾で汚染されていた可能性は否定できない。鹿肉など野生鳥獣肉のペットフードへの利用に際しては、鉛汚染に注意を払う必要があると考えられた。