2023 年 26 巻 2 号 p. 73-81
鹿肉を主原料とする国産の市販ペット用間食(イヌ用37種、ネコ用1種、イヌ・ネコ用6種)計44種における鉛(Pb)含量を調査し、国内の販売用愛玩動物用飼料のPb上限値およびEUの補完飼料におけるPb上限値と比較した。間食44種のうち30種のPb含量は定量下限(0.019 mg/kg)を下回っていた。 Pbを定量できた14種の間食のうち1種のみは、国内のPb上限値を上回っていたが、EUの補完飼料における上限値を下回っていた。Pb含量が高かった間食におけるPbの汚染源を推定するためにPbの同位体比分布を検討したが、Pbの汚染源を特定することはできなかった。本調査の結果から、供試した鹿肉を主原料とする国産の市販ペット用間食ではPbによる健康被害のおそれはほとんどないが、鹿肉など野生鳥獣肉をペットフードに利用する場合は、そのPb汚染に注意を払う必要があると考えられた。