2024 年 27 巻 2 号 p. 61-75
維持期の成犬を対象とした AAFCO 養分基準(2016)を満たすような手作り食のレシピを考案し、栄養計算ソフト上での計算値および調理後の実測値を AAFCO 養分基準と比較した。レシピは3種類作成し、計算値では1種類を除いて AAFCO 養分基準を満たすことができた。調理後の実測値においては、すべてのレシピでタンパク質および脂質は基準を満たすことができた。しかし、レシピによってはCa、ビタミンB2、α-トコフェロールが不足し、ビタミンDは過剰となり、すべての栄養素を満たすレシピはなかった。すべての栄養素の中で、特にCaは不足しやすく、食材の選定や調理方法を検討する必要があると考えられた。ビタミンにおいては、動物性食品が主な由来であったためか、食材の生育環境や飼育中の飼料によって、 AAFCO 養分基準に対して過不足が生じたのではないかと考えられた。今回は3種理のレシピの検討となったが、今後は新たなレシピの考案や不足しやすい栄養素について代替食品の検討が必要である。