抄録
バガスが繊維源として有用であるか否かを検討するため,蒸煮処理微粉末バガスを飼料に10% 配合し,CF#1系マウスに5世代に渡り給与した。3週齢で離乳し,バガス区と対照区に分けた。マウスの体重,諸臓器重量,繁殖,育成率などに及ぼす蒸煮処理微粉末バガス給与の影響を調査した。体重は,いずれの世代でも3週齢と4週齢の若齢ではバガス区が軽くなるが,その後の週齢では対照区に近づきバガスの影響は少なくなった。さらに,3世代以降の6週齢~10週齢の体重ではバガス区が重くなった。飼料摂取量はすべての世代でバガス区が対照区に比較し多かった。胃,盲腸,大腸および小腸の重量はいずれの世代においてもバガス区が重かった。また,大腸と小腸の長さも長くなった。また腹腔内脂肪はバガス区で軽くなる傾向を示した。肝臓重にはバガスの影響はなかった。分娩率,初産時産子数および3週齢までの育成率には両区に差はなかった。糞の量はバガス区が多かった。また,臭いはバガス区が強かった。以上の結果から蒸煮処理バガスは,繊維源として有用であると考えられた。