2008 年 11 巻 1 号 p. 7-12
バガスの繊維源としての有用性を検討するため,蒸煮処理微粉末バガスを標準飼料に20%配合しマウスに給与した。マウスはCF#1系を用いた。3週齢で離乳し,バガス区と対照区に分けた。これを0世代とし2世代まで飼育して体重,消化器官および血清成分に及ぼすバガス給与の影響を調査した。5週齢からバガスの給与を始めた0世代では雌雄とも体重にバガスの影響はなかった。バガスを給与しながら世代を重ねた1世代と2世代の体重は,雌雄ともバガス区が対照区に比較しすべての週齢で軽かった。諸臓器の重量では,雄では胃,腎臓,心臓,肺および精巣が対照区で重かった。雌は小腸,大腸および盲腸はバガス区が重く,また小腸と大腸の長さも長かった。しかし,腎臓,心臓,脾臓および腹腔内脂肪は対照区が重かった。諸臓器の比体重値は,雄ではすべての測定値でバガス区が高く,雌においても腎臓,脾臓および腹腔内脂肪以外の多くの測定値で高かった。血清成分においては,バガス区が対照区と比較しトリグリセライドは低かったが,総コレステロールは高かった。以上の結果からバガスをマウスに給与すると体重は小さくなり,消化器官は重く,長くなった。