抄録
ビーグル犬1頭にフィーディングチューブを経鼻的に胃まで挿入し,経鼻胃カテーテルとした。難消化性澱粉として,難消化性デキストリン(IDD)およびβ-サイクロデキストリン(β-CD) を用いた。また,可溶性澱粉を対照とし,さらに比較としてグルコースを選んだ。いずれの被検物質も投与濃度は,20%水溶液として,100mlずつ投与し,被検物質投与前および投与後15,30,60,90,120,180分後に血糖値を測定し,Glycemicindex(Gl) も算出した。その結果,IDDの投与では,投与15分後,血糖値の上昇を認めたが,その後急速に低下し,投与60分後には投与前値に復した。β-CDでは,血糖値の変化は一切認められなかった。また,2 種の難消化性澱粉にはGlの明瞭な減少も認められた。以上の澱粉負荷試験成績から,難消化性澱粉,特にβ-CDはビーグル犬の血糖値の上昇を抑制する効果があることがわかった。