ペット栄養学会誌
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イヌ・ネコの腸内細菌による硝酸・亜硝酸還元反応
吉井 貴宏阿部 哲雄浅沼 成人日野 常男
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2002 年 5 巻 Supplement 号 p. 31-32

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抄録

イヌ・ネコの大腸内における亜硝酸の蓄積を防ぐ目的で,糞中微生物混合系を用いて腸内細菌による硝酸・亜硝酸還元について調べた。硝酸・亜硝酸還元能は,性別による違いは認められなかった。しかし,加齢と共に硝酸還元速度に対する亜硝酸還元速度の比率が減少したので,高齢になると亜硝酸が蓄積し易くなると考えられた。また,糞中混合微生物における亜硝酸還元酵素の合成は,基質である亜硝酸によって誘導されると考えられた。硝酸,亜硝酸還元のいずれも至適pHは中性付近であったが,pHの低下と共に還元能も低下し,pH6.0付近では還元能は殆どなくなった。従って,硝酸還元を抑制し,亜硝酸還元を増加させるためには,大腸内のpHを6程度に保つことが望ましいと思われた。

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