2006 年 9 巻 Supplement 号 p. 3-4
ルーメンバイパス油脂として反すう家畜に利用されている脂肪酸カルシウムの,ミニブタでの利用性を検討した。脂肪酸カルシウムを飼料に添加して消化試験を実施したが,粗脂肪消化率は低い値になった。粗脂肪の分析に酸分解ジエチルエーテル法を用いたことが,糞中粗脂肪の過剰評価につながったと考えられた。そこで,ミニブタに静脈カテーテルを装着し,脂肪酸カルシウム給与後の血中トリグリセリド含量の経時的変化を検討した。基礎飼料だけの区に比べて脂肪酸カルシウム給与後の血中トリグリセリド含量は増加し,消化吸収されていることが推察された。