2006 年 9 巻 Supplement 号 p. 7-8
酪酸生成ルーメン菌Butyrivibrio fibrisolvensの経口投与による,繊維肉腫形成の抑制効果について調べた。本菌をマウスに経口投与したところ,発癌物質の皮下投与により誘発した繊維肉腫の形成が抑制された。本菌の投与区では,脾臓中のNKおよびNKT細胞が増加していたので,このことが繊維肉腫の抑制に寄与した可能性が考えられる。また,脾臓中のTh1/Th2バランスを調べたところ,本菌の経口投与によりTh1/Th2バランスがTh1側に傾くことを示す結果が得られた。以上の結果から,Butyrivibrio fibrisolvensをプロバイオティクスとして利用することにより,動物の自然免疫を高め,腫瘍形成を予防・抑制できる可能性があると考えられた。