くすりと糖尿病
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原著論文
注入器の識別色とイメージとの対応に関する調査研究
〜第1報〜
朝倉 俊成名取 和幸江森 敏夫
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ジャーナル 認証あり

2014 年 3 巻 2 号 p. 128-138

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抄録
ハイリスク薬であるインスリン製剤やGLP-1受容体作動薬の種類を,患者が識別して使用することは医療安全において極めて重要である.そこで,糖尿病患者が使用するインスリン製剤やGLP-1受容体作動薬の作用の特徴との連想性の高い識別色を見出すことを目的にネットリサーチにてイメージ調査を行った.対象は4年齢層(9–12歳,20代,40代,70代)とも男女各103名(計824名)とし,13色の注入器の画像を見て“薬剤のイメージに適合する注入器の色彩”と“注入器の色によるイメージ”の2点について回答してもらった.その結果,薬剤のイメージに適合する注入器の色彩で,「効き目が速くて強そうな色」としては青系よりは暖色系の方が,「ゆっくり長い時間効きそうな色」としては青系(水色と青)や緑系(黄緑や緑)が,「夜,寝る前に使うのに合う色」としては黒系や青系(水色と青),そして緑系(黄緑や緑)が,そして「食事前に使うのに合う色」としては暖色系がイメージに合っていた.また,注入器の色によるイメージでは,「こわい」「痛そう」は赤と紫・茶系,黒系で多く,「安心できる」「信頼できる」「親しみがある」は白が最も多かった.「目立つ」は赤を中心に暖色系が多く,「落ち着いた」はグレーや白,茶が多くなっていた.「きれい」「かわいい」はピンクを中心に暖色系,黄緑,水色が多く,「高級感」は紫を中心に白,茶,黒系が多かった.このことから,薬剤の効力(作用発現)や使用時期,注射剤での恐怖感や痛み,医療用具への安心感や信頼感,そして患者の好みなどで13種の色のイメージが異なることが明らかとなった.
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© 2014 一般社団法人日本くすりと糖尿病学会
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