くすりと糖尿病
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原著論文
プレフィルド型インスリン注入器と注射針の嵌合状態とコアリング発生の関連に関する一考察
朝倉 俊成
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2019 年 8 巻 1 号 p. 131-137

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抄録

糖尿病の自己注射療法は,インスリンやGLP-1受容体作動薬のペン型自己注射用注入器(以下,ペン型注入器とする)に専用の注射針を注射時に嵌合させて使用する製剤によるものが主流になっている.一般に,注射針をゴム栓に穿刺すると,注射針の刃先部とヒール部によってゴム片が削り取られる「コアリング」という現象が生じることがある.今回,数種類のプレフィルド型インスリン注入器と注射針の嵌合部の構造を観察し,コアリングの発生との関連について考察することを目的に試験を行った.方法は,注入器に注射針を嵌合させたとき,後針の穿刺直後と嵌合完了時の状態をマイクロフォーカスX線テレビ透過装置にて投影し,実測値とあわせて解析した.結果は,ソロスターとナノパス以外の組み合わせで,嵌合開始時の後針刃先はゴム栓を貫通していないことが確認され,コアリングが発生しやすい状態であると思われる.また,ランタスXRソロスターとミリオペンでは注射針(後針)の基底部とゴム栓表面に隙間があることから,コアリングによって引き起こされる液漏れを防止するための構造になっていないことが確認された.よって,これらを参考に,注射針と注入器の嵌合部に関する構造的な改良が必要であると考えられる.

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© 2019 一般社団法人日本くすりと糖尿病学会
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