広島県下の2水系におけるモリネートの濃度消長を調査した.
田面水では, 漏水の多少に関係なく, マメットSM粒剤®散粒後1日以内に最高濃度に達した. 半減期は漏水田で0.6日, 漏水の少ない水田では, 降雨の少ない年は4.4日であったが, 降雨による溢水のあった年は2.5日と短くなった.
河川水では, 流量の少ない川は, 多い川より使用最盛日以後, 最高濃度に達するまでの期間は長く, その濃度も高かった. また半減期も流量の多い川の1.9日に対し, 少ない川では6.6日であり, 降雨による増水のあった年は5.4日と, やや短くなった.
モリネートが水田から河川に流出する率は, 漏水, 降雨, 河川流量の多少に関係なく使用量の3~4%と推定された.