Journal of Pesticide Science
Online ISSN : 1349-0923
Print ISSN : 1348-589X
ISSN-L : 0385-1559
10 巻, 1 号
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  • Xanthomonas 属細菌病害防除のための薬理学的研究 (第2報)
    沖本 陽一郎, 東岸 和明, 石山 忠之
    1985 年10 巻1 号 p. 1-6
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    The earlier comparative study on glucose catabolism of three pathovars of Xanthomonas species in this laboratory revealed that a set of glucose catabolizing enzymes was specifically induced in the presence of glucose when Xanthomonas campestris pv, oryzae was precultured on succinate as a sole carbon source. In this study, it was further demonstrated that the determination of O2 uptake and enzymic activities of various inducible enzymes in the glucose catabolism with regard to Xanthomonas campestris pv. oryzae showed the repression of the activities of 6-phosphofructokinase (EC 2. 7. 1. 11), phosphopyruvate hydratase (EC 4. 2. 1. 11) and phosphogluconate dehydrogenase (EC 1. 1. 1. 43) in the presence of sub-lethal concentration of streptomycin (100ppm) or chloramphenicol (100ppm) excluding the cases of other three Xanthomonas campestris pathovars.
  • Sameeh A. MANSOUR, Montaha S. AL-HASSAN
    1985 年10 巻1 号 p. 7-10
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    ナツメヤシ樹にピリミホスメチル剤を施用し, 実中のピリミホスメチルとその分解物をガスクロマトグラフ法により定量した. ピリミホスメチルの残留量は施用後15日以内には急速に減少し, その後は全シーズンにわたって徐々に減少した. 分解物としてはヒドロキシピリミジン化合物のみが有為な量で検出され, オキソン体は根跡量が検出された. 脱エチルアミノ体やその他のピリミジノール化合物は検出されなかった.
  • 胡椒アミドの研究 (第6報)
    宮門 正和, 中山 勇, 井上 歩, 波多腰 信, 大野 信夫
    1985 年10 巻1 号 p. 11-17
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    胡椒から得られたジヒドロペパーサイド [N-isobutyl-11-(3, 4-methylenedioxyphenyl)-(2E, 4E)-2, 4-undecadienamide] を母核とし, そのアミン部分および直鎖部分についての類縁体の合成を行ない, 殺虫活性と化学構造との相関性を調べた. その結果, 末端のベンジル基は, フェノキシ基に置き換えられることが判明し, N-isobutyl-12-(3, 4-methylenedioxyphenoxy)-3-methyl-(2E, 4E)-2, 4-dodecadienamide がアズキゾウムシに対する活性の優れた化合物として選択された. 本化合物は, ニカメイチュウおよびイエバエに対しても優れた殺虫効力を示した.
  • Gerhard SANDMANN, Peter M. BRAMLEY, Peter BÖGER
    1985 年10 巻1 号 p. 19-24
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    AMO1618と同様, CGA22867, LS80707, LS80717, MB38183等の新殺草化合物は, カロチノイド生合成系の諸酵素を阻害することが判明した. 光合成系における他の諸反応 (たとえば, 電子伝達系や過酸化系) は影響を受けない. 藍藻 Aphancapsa のフィトエンをβ-カロチンに変える無細胞酵素系を用いて, フィトエン desaturase がCGA22867, MB38183, LS80707およびLS80717によって阻害されることが示された. さらに, ζ-カロチン desaturase の活性もLS80707によって低下せしめられた. Cyclase 阻害剤であるAMO1618は, フィトエンからβ-カロチンへの反応系の第三の酵素であるリコペン cyclase にも阻害作用を示す. これらの化合物はすべて in vitroin vivo とでほぼ同等の上記各阻害活性をもっている.
  • 胡椒アミドの研究 (第7報)
    宮門 正和, 中山 勇, 井上 歩, 波多腰 信, 大野 信夫
    1985 年10 巻1 号 p. 25-30
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    胡椒から得られたジヒドロペパーサイド [N-イソブチル-11-(3, 4-メチレンジオキシフェニル)-(2E,4E)-2, 4-ウンデカジエンアミド] を母核とし, そのフェノキシ類縁体の構造活性相関の研究を行なった. その結果, アズキゾウムシに対する活性の優れた化合物として, N-イソブチル-12-(3-ブロム, または3-クロル, または3-CF3フェノキシ)-(2E, 4E)-2, 4-ドデカジエンアミドが選択された. これらアミド類のニカメイチュウ, イエバエおよびハスモンヨトウに対する殺虫活性も調べた. また, ゴキブリの神経を用いた電気生理の研究より, これら一連の胡椒アミド類は神経に作用する化合物であることが判明した.
  • 小田中 芳次, 土屋 則子, 俣野 修身, 後藤 真康
    1985 年10 巻1 号 p. 31-39
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    湛水条件下の土壌 (阿蘇, 菊川, 佐賀) にMAF (ferric methanearsonate) を乾土当りヒ素濃度として10ppmとなるよう施用し, ヒ素化合物の動態について調査した. MAFはメチル化および脱メチル化の両方向の代謝変換を受けながら徐々に減衰してゆく現象が認められた. メチル化体の dimethyl ヒ素や trimethyl ヒ素は一時期ある程度の増加をみた後, 再び消失するのに対し, 脱メチル化体の無機ヒ素は継続的に増加した. 代謝物に相当する sodium arsenate, dimethylarsinic acid (DMAA), trimethylarsine oxide (TMA=O) の動態を同条件下の土壌で調査した. DMAAないしTMA=Oは無機ヒ素まで脱メチル化されるのに対し, arsenate は外観上ほとんどメチル化されないことから, MAF由来のヒ素成分は総体として無機ヒ素に変換されることが予測された. 各種土壌条件下におけるMAFの動態について調査した. 極端な嫌気的条件下の土壌で揮発性ヒ素の発生が認められた. Disodium methanearsonate (DSMA) の動態について同条件下の土壌で調査しMAFと比較した. MAFは畑地条件下の土壌でDSMAよりも分解されにくい傾向を示した.
  • 黒河内 伸, 片桐 政子, 高瀬 巖, 上杉 康彦
    1985 年10 巻1 号 p. 41-46
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    チオール型有機リン殺菌剤に感受性を異にする3種のイネいもち病菌株 [感受性 (S), 中程度耐性 (MR), 耐性 (R)] を用いて, エジフェンホス (O-ethyl S, S-diphenyl phosphorodithioate) の代謝の比較を行ない, 同定された代謝物の抗菌力検定を行なった. 主代謝物はP-S結合の開裂したI, いもち病菌の代謝物としては初めて見いだされたS-C結合の開裂したIIおよびフェニル基のパラ位の水酸化されたIIIであった. エジフェンホスの代謝速度は供試菌株のリン剤感受性と相関していて, S>MR>Rの順序であり, フェノバルビタールにより誘導されてとくにS株で速くなった. P-S結合の開裂はS>MR>R, S-C結合の開裂はSMR>R=O, 環の水酸化はS, MR>Rの順序であり, とくにP-S結合の開裂は薬剤感受性の発現と関連していることが推定された. 寒天希釈法による各菌株での抗菌力試験ではIIIに活性が認められたが, ほかの代謝物はいずれも低かった.
  • 高瀬 巖, 小山 寛史
    1985 年10 巻1 号 p. 47-53
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    ジスルホトン (O, O-diethyl S-2-ethylthioethyl phosphorodithioate) およびその酸化体スルホキシドとスルホンのコイによる取込みと濃縮性を比較した. ジスルホトン0.01ppmを含む流水中で飼育したコイは, ジスルホトンを急速に吸収し平衡状態に達して56日間暴露しても濃縮率は増加せず, 生物濃縮係数は最大525であった. そして魚体から各酸化代謝物はまったく検出されなかった. その後, コイを清水に移すと魚体中のジスルホトンは速やかに排泄 (4日間で1/20) された. コイをジスルホトン・スルホキシド・スルホン (1:6:3) の合計設定濃度0.1ppmまたは0.01ppmに暴露すると, 濃縮率は水中濃度にあまり影響されず, ジスルホトンは約450, スルホキシドは1以下, スルホンは約5であり, 環境における主残留化合物の酸化体が魚体内で高く濃縮される傾向は見られなかった. 各供試化合物の魚体濃縮性とオクタノール・水の分配係数または水溶解度との間には明らかな相関性が認められた.
  • 満井 喬, 多田 満, 信沢 智恵子, 山口 勇
    1985 年10 巻1 号 p. 55-60
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    ヨトウガ終齢幼虫の中腸を14C-N-アセチルグルコサミン (14C-AGA) 存在下で培養すると, 組織中に14C-UDP-N-アセチルグルコサミン (14C-UDP-AGA) が生成され, diflubenzuron 存在下では control に比して約1.7倍量の蓄積が認められた. 膜の主要成分であるリン脂質の生成についても, diflubenzuron は量的, 質的に何らの影響をもたらさなかった. 中腸を裏返し両端を結紮して, 14C-AGA存在下で培養したのち, 培養液中および組織中に含まれる14C-UDP-AGA, 生成されるキチンを別々に定量した結果, diflubezuron 存在下では, 組織中に14C-UDP-AGAが多く蓄積し, 細胞内から細胞外へ出てくる14Cの量は control に比して減少することが認められた. 以上の結果より, diflubenzuron の作用機構は, 細胞内で生成されたUDP-AGAの細胞膜透過阻害であろうと考えられる.
  • 坂田 五常, 牧野 健二, 河村 保夫, 猪飼 隆
    1985 年10 巻1 号 p. 61-67
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    Ethyl 2-[4-(6-chloro-2-quinoxalinyloxy) phenoxy]-propanoate (code No. NCI-96683) は, 現在日産化学工業 (株) によって開発中の新しい選択性除草剤である. これまで数種の heterocyclicoxy phenoxy propanoic acid 誘導体が選択性除草剤として知られていた. 本研究においてヘテロ環としてさまざまなベンゼン縮合ヘテロ環を探索合成した結果, quinoxalinyloxy phenoxy propanoic acid 誘導体, とくにNCI-96683がすぐれたイネ科雑草に対する除草活性と広葉作物選択性を示すことを見いだした. これらの誘導体は合成原料として2-chloro-quinoxaline 誘導体と hydroquinone およびα-halogeno-propanoic acid 誘導体を用いて合成した. NCI-96683は, 大豆, 棉, 甜菜, なたねなどの広葉作物に薬害を示すことなく, イヌビエ, メヒシバ, オヒシバ, エノコログサ, オオクサキビ, カラスムギおよびセイバンモロコシなどに卓効を示した. 圃場試験においては, 一年生イネ科雑草に対し0.05-0.15kg a. i./ha, 多年生イネ科雑草では0.11-0.22kg a. i./haで十分な除草効果が得られた.
  • 坂田 五常, 牧野 健二, 森本 勝之, 猪飼 隆, 長谷部 信治
    1985 年10 巻1 号 p. 69-73
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    Ethyl (R)-(+) および (S)-(-)-2-[4-(6-chloro-2-quinoxalinyloxy) phenoxy] propanoate ((R)-(+)-1および (S)-(-)-1)を (S)-(+)-lactic acid から合成した. (S)-(+)-lactic acid を用いて, ethyl O-(p-toluenesulfonyl)-(S)-(-)-lactate, ethyl O-methanesulfonyl-(S)-(-)-lactate, ethyl-(R)-(+)-2-chloropropanoate および ethyl (R)-(+)-2-bromopropanoate を合成し, これら中間体を4-(6-chloro-2-quinoxalinyloxy) phenol と反応させ, (R)-(+) および (S)-(-)-1を得た. 光学純度はシフト試薬Eu(HFC)3を用いて, 200MHz NMRの測定から決定した. その結果, 光学的に純粋な (R)-(+)-1は, [α]20D+35.2°(CHCl3, c=1.20%) の旋光度であることが推定できた. シャーレ試験におけるイネ幼植物の生長阻害活性と, エノコログサを用いた茎葉処理除草活性を検討した結果, (R)-(+)-体の含量と除草活性の間によい相関があることがわかった. そして光学的に純粋な (R)-(+)-1は, ラセミ体に比較して約2倍の除草活性を有すること, および (S)-(-)-1は, 低活性かあるいはほとんど活性を示さないことが推察された.
  • 坂田 五常, 牧野 健二, 草野 和也, 佐藤 純, 猪飼 隆, 鈴木 宏一
    1985 年10 巻1 号 p. 75-79
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    Ethyl (R)-(+) および (S)-(-)-2-[4-(6-chloro-2-quinoxalinyloxy) phenoxy] propanoate ((R)-(+)-1および (S)-(-)-1) をそれぞれの相当する遊離酸 ((R)-(+)-1-acid および (S)-(-)-1-acid) から合成した. おのおのの酸は, そのラセミ体を cinchonidine あるいは cinchonine を用いて光学分割することにより得ることができた. つぎにそれらをアシルクロライドにした後, ピリジン存在下, エタノールでエステル化し純粋な光学活性体 (R)-(+)-1, (S)-(-)-1へ誘導した. 光学純度はシフト試薬Eu(HFC)3を用いた200MHz NMRの測定および優先晶析法を用いて決定した. その結果, 光学的に純粋な (R)-(+)-1の旋光度は, [α]20D+35.9°(CHCl3, c=1.20%) であることが明らかとなった. またシャーレ試験におけるイネ幼植物の生長阻害活性と, タイヌビエおよびメヒシバを用いた茎葉処理除草活性を検討した結果, 最も強い除草活性を示す化合物1のプロピオン酸部の絶対配置は, R配置であった.
  • 佐藤 清, 加藤 保博, 牧 伸一, 俣野 修身, 後藤 真康
    1985 年10 巻1 号 p. 81-90
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    殺菌剤グアザチン・三酢酸塩の14C-標識体をイヌリンゴの葉および果実の表面に処理し, その浸透・移行・移動性ならびに代謝を実験室内で調査した. 葉面処理された14C-標識体の処理部からの移動は認められなかった. また, 処理葉から, 果実ならびに処理後に発生した新葉へのシンプラスト移行性も無視しうる程度でしかなかった. 処理葉からの14Cの消失速度はきわめて遅く (T1/2=67週), 処理12週後でも処理量の87%の14Cが残留していた. 処理葉および処理果実のいずれにおいても, 大部分の14C-グアザチンは処理部表面に未変化のまま付着しており, 植物体内部への浸透性はきわめて低かった. 処理グアザチンの一部は植物体表面上で光分解を受け, 数種の光分解物が生成した. 植物体内に浸透した14Cの主体は未変化のグアザチンであったが, 光分解物の浸透も認められた. しかし, 植物体内に浸透したこれらの化合物はほとんど代謝されなかった.
  • 佐藤 清, 加藤 保博, 牧 伸一, 俣野 修身, 後藤 真康
    1985 年10 巻1 号 p. 91-100
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    殺菌剤グアザチン・三酢酸塩 (TA) の14C-標識体を約0.5μg/cm2の割合でガラス表面に薄膜状に塗布し, これに陽光ランプを照射したところ, 14C-グアザチン・TAは見かけ上, 二相性の反応に従って比較的すみやかに分解した (第一相のT1/2=40時間, 第二相のT1/2=912時間). 14C-グアザチンの分解にともない, 主光分解物 (Pm) と約8種の微量光分解物が生成した. 照射336時間後におけるPmと微量光分解物 (総計) の生成量はそれぞれ31%と38% (14C-グアザチン・TA相当量) であった. 自然太陽光の照射による14C-グアザチン・TAの光分解は, 質的・量的に陽光ランプによるものと同一とみなしうるものであった. Pmは, そのグアニジン基をピリミジン誘導体としたのち機器分析 (GC-MS, IR, 1H NMR) を行ない, グアザチンの4位のメチレン基が光酸化によりカルボニル基となり, さらに3位または5位のメチレンがメチル化された物質と同定された. また微量光分解物中の一種として, 1個のメチレンがカルボニル基に光酸化された物質が同定され, これはグアザチンからPmを生成する過程での中間体と考えられた.
  • 宮門 正和, 渡辺 敬介, 大野 信夫, 野中 福次, 森田 昭
    1985 年10 巻1 号 p. 101-106
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    ゴマ色斑点病菌 (Entomosporium eriobotryae) に感染したビワの葉 (Eriobotrya japonica L.) (バラ科) から, 新規なジベンゾフラン系の抗菌性物質 (ファイトアレキシン) を結晶状で単離し, エリオボフランと命名した. 各種スペクトル, 化学反応ならびに生合成経路の考察から, その構造を2,4-ジメトキシ-3-ヒドロキシベンゾフランと推定した. その構造は, 別途合成した標品 (2,4-ジメトキシ-3-エトキシジベンゾフラン) とエリオボフランのエチルエーテル誘導体とが完全に一致することより決定した. エリオボフランはビワの寄生菌である灰斑病菌 (Pestalotia funerea) の生育を強く阻害したが, 各種類の非寄生菌の生育にはほとんど影響を与えなかった.
  • 半川 義行
    1985 年10 巻1 号 p. 107-112
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    広島県下の2水系におけるモリネートの濃度消長を調査した.
    田面水では, 漏水の多少に関係なく, マメットSM粒剤®散粒後1日以内に最高濃度に達した. 半減期は漏水田で0.6日, 漏水の少ない水田では, 降雨の少ない年は4.4日であったが, 降雨による溢水のあった年は2.5日と短くなった.
    河川水では, 流量の少ない川は, 多い川より使用最盛日以後, 最高濃度に達するまでの期間は長く, その濃度も高かった. また半減期も流量の多い川の1.9日に対し, 少ない川では6.6日であり, 降雨による増水のあった年は5.4日と, やや短くなった.
    モリネートが水田から河川に流出する率は, 漏水, 降雨, 河川流量の多少に関係なく使用量の3~4%と推定された.
  • 駒井 功一郎, 岩村 淳一, 守田 豊重, 浜田 昌之
    1985 年10 巻1 号 p. 113-117
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    6種類のカウレン配糖体を供試して大麦種子ならびに麦芽中のα-アミラーゼ生合成への影響を検討した. Stevioside, rebaudioside B, stevioside A3, dulcoside A, rebaudioside C および stevioside で処理した大麦種子および麦芽から抽出した酵素液のデンプン分解活性は無処理酵素液に比較して顕著な促進を示し, またこれら配糖体を胚芽除去大麦種子に処理した場合, 種子中の還元糖の顕著な増加を示すことから, これら供試配糖体は大麦種子のα-アミラーゼの生合成誘導に促進効果を示すことを認めた. この活性は供試配糖体のアグリコン steviol と同様の活性様式にもとづくものと考えられるが, 同条件で行なったGA3の活性に比べて50~100倍以上の高濃度で活性が認められた. しかし iso-steviol には同様な活性は認められなかった.
  • 大森 薫, 渡辺 豊, 中川 泰三
    1985 年10 巻1 号 p. 119-124
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    新規土壌殺菌剤, S-(4-メチルスルホニルオキシフェニル) N-メチルチオカルバマート (メタスルホカルブ, カヤベスト®, NK-191) の各種病原菌に起因するイネ苗立枯病に対する防除効果を通常育苗箱の1/10のプラスチック容器を用い検討した. メタスルホカルブ10%粉剤をイネ箱育苗用の床土および覆土に使用する用土500ml当り原体換算で60~100mg播種前1回混和処理することにより, 稚苗育苗条件でイネ苗立枯病の主要な病原菌である R. chinensis, F. roseum, P. graminicolum, T. viride の4菌を人工接種して発病させたイネ苗立枯病をすべてよく防除し, さらに C. rolfsii を人工接種して発病させたイネ苗立枯病もよく防除した. またメタスルホカルブ10%粉剤を用土500ml当り原体換算で100mg播種前1回混和処理することにより, 育苗期間の長い中苗育苗の場合でも R. chinensis, F. roseum を人工接種して発病させたイネ苗立枯病をよく防除した. 以上のことから新規土壌殺菌剤メタスルホカルブは播種前1回の用土混和処理により広範囲の病原菌に起因するイネ苗立枯病をよく防除し, さらに育苗期間の長い中苗育苗においてもイネ苗立枯病を防除しうることが示唆される.
  • 今中 雅章, 日野 誠二, 松永 和義, 石田 立夫
    1985 年10 巻1 号 p. 125-134
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    除草剤オキサジアゾンの環境中での挙動を解明するために, その使用量が多い児島湖周辺地域 (岡山市) を対象として, 河川水およびそこに生息するフナを1980~82年にかけて継続してサンプリングし, 残留実態調査を行なった. 児島湖, 笹ヶ瀬川および妹尾川の表層水ともに, つねにオキサジアゾンが検出され (児島湖: 0.24~0.58ppb), さらに児島湖産のフナからも年間を通し0.017~5.02ppmの範囲で検出された. その濃度は, 後者においてはるかに高く, ほぼ200~400倍の生物濃縮性が観察された. しかし, 経時変化のパターンは両者ともによく類似しており, フナも, 生息する水質の汚染程度を直接に反映していることが明らかになった. 一方, 河川水を用いた室内分解実験の結果から, オキサジアゾンは非常に安定で, クロルニトロフェン (CNP) やフェニトロチオン (MEP) よりも難分解性であることが示唆され, フィールドレベルでの調査結果を裏づけた. また, ECD・GC で非常に低いレベル (0.017ppm) のオキサジアゾンを検出したフナ (1981/3/12) を用いて, EIマススペクトルによりその同定を行なった.
  • 西村 勁一郎, 藤田 稔夫
    1985 年10 巻1 号 p. 135-136
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    前報において, DDT, DDD, prolan 誘導体のワモンゴキブリより摘出した中枢神経に対する反復興奮誘起活性の大きさの変化と, 芳香環置換基の種々の物理化学的パラメーターとの関係を定量的に解析した結果を報告した. この解析において, 置換基のかさ高さを表わすパラメーターとして一部不適切な数値を用いていたので, その修正値を用いて解析し直した. その結果, 相関関係式にわずかの修正が必要であったほかは解析結果に本質的な変化はなく, 反復興奮誘起活性は置換基のかさ高さの増加につれて放物線状に変化することが再確認された.
  • 渡辺 敬介, 宮門 正和, 大野 信夫, 太田 孝彦, 野中 福次
    1985 年10 巻1 号 p. 137-140
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    ナツダイダイの葉に, カンキツかいよう病菌の拮抗細菌 (Pseudomonas sp.) を接種すると, 接種部位に数個の抗菌性物質が生成される. そのなかの一種の化合物の構造について検討した. その結果, 本化合物は式Iで示される新規な桂皮アルコール誘導体であることがわかり, citrusnin-A と命名した. 単離した citrusnin-A の細菌に対する抗菌活性を検討したところ, 非寄生菌である Xanthomonas campestris pv. phaseoliX. campestris pv. oryzae に対しては強く現われたが, 寄生菌である X. campestris pv. citri および多犯性菌である Agrobacterium tumefaciens に対しては著しく弱いことが判明した.
  • 正野 俊夫
    1985 年10 巻1 号 p. 141-146
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    フェンバレレート, パーメスリン, サイパーメスリン, デルタメスリンのような, 光分解に対して安定なピレスロイド系殺虫剤の開発は, ピレスロイド剤の農業用殺虫剤としての利用に道を開いた. ピレスロイド剤は昆虫に対しては強い毒性を示すが, 哺乳類に対しては低毒性である. また, 環境中では速やかに分解されるので, 環境汚染のおそれもまったくない. これらの利点によって, ピレスロイド剤は, 今後, 農業用, 防疫用殺虫剤の中心的な地位を占めるものと考えられている. この理想的殺虫剤の将来に障害となるのは抵抗性の発達である. この総説では, 各種の昆虫におけるピレスロイド剤に対する抵抗性の発達を概説するとともに, 抵抗性の機構として, 神経の低感受性 (kdr型) 抵抗性が重要であることを指摘し, この機構をもつ抵抗性害虫が慢延した場合, すべてのピレスロイドの使用が困難になることを警告した.
  • 寺岡 徹
    1985 年10 巻1 号 p. 147-149
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 藤田 文雄
    1985 年10 巻1 号 p. 150-154
    発行日: 1985/02/20
    公開日: 2010/08/05
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