Ethyl (
R)-(+) および (
S)-(-)-2-[4-(6-chloro-2-quinoxalinyloxy) phenoxy] propanoate ((
R)-(+)-
1および (
S)-(-)-
1)を (
S)-(+)-lactic acid から合成した. (
S)-(+)-lactic acid を用いて, ethyl
O-(
p-toluenesulfonyl)-(
S)-(-)-lactate, ethyl
O-methanesulfonyl-(
S)-(-)-lactate, ethyl-(
R)-(+)-2-chloropropanoate および ethyl (
R)-(+)-2-bromopropanoate を合成し, これら中間体を4-(6-chloro-2-quinoxalinyloxy) phenol と反応させ, (
R)-(+) および (
S)-(-)-
1を得た. 光学純度はシフト試薬Eu(HFC)
3を用いて, 200MHz NMRの測定から決定した. その結果, 光学的に純粋な (
R)-(+)-
1は, [α]
20D+35.2°(CHCl
3,
c=1.20%) の旋光度であることが推定できた. シャーレ試験におけるイネ幼植物の生長阻害活性と, エノコログサを用いた茎葉処理除草活性を検討した結果, (
R)-(+)-体の含量と除草活性の間によい相関があることがわかった. そして光学的に純粋な (
R)-(+)-
1は, ラセミ体に比較して約2倍の除草活性を有すること, および (
S)-(-)-
1は, 低活性かあるいはほとんど活性を示さないことが推察された.
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