Journal of Pesticide Science
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ゲァザチンの植物体残留物の雄ラットにおける代謝運命
佐藤 清加藤 保博牧 伸一俣野 修身後藤 真康
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1986 年 11 巻 2 号 p. 267-270

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抄録

グアザチンの植物中での主分解生成物である光分解物の雄ラットにおける代謝運命を, 14C-グアザチンの光分解混合物を1回経口投与することにより調べた. 本光分解混合物の組成は, 未変化物 (39%) と主光分解物 (35%) および約8種の微量光分解物であった. 光分解物に由来する14Cの動態は, 吸収率がグアザチンにくらべ高い点 (26%以上) と, 14Cの主貯留臓器が肝臓であり腎臓への貯留性が認められない点で, グアザチンの体内動態とは明らかに異なっていた. また, 光分解物に由来する尿中代謝物の約25%は光分解物に固有であり, そのほかはグアザチンと共通であった. 一方, 植物体残留物の摂取実態に近い試験として, イヌリンゴ果実 (14C-グアザチン処理12週間後) の磨砕物を雄ラットに2時間間隔で5回経口投与した. 果実中の放射性残留物の80%以上が未変化のグアザチンであったため, 14Cの体内動態は14C-グアザチンの単独投与時と差がなかった.

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© 日本農薬学会
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