Journal of Pesticide Science
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In vivo および in vitro における fenvalerate 4光学異性体の立体選択的加水分解
高松 泰子金子 秀雄安彦 順子吉武 彬宮本 純之
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1987 年 12 巻 3 号 p. 397-404

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抄録
Fenvalerate[(RS)-α-cyano-3-phenoxybenzyl (RS)-2-(4-chlorophenyl)isovalerate] の4光学異性体の加水分解をマウスの数種の組織ミクロゾームを用いて検討した. 腎臓, 脾臓, および脳は同じ立体選択性を示し, 4異性体中の (2RS)-体だけを加水分解した. 肝臓は (2SS)-および (2SR)-体よりも (2RS)-および (2RR)-体をより多く加水分解した. 一方, 血清は (2SS)-および (2RS)-体に比較して (2SR)-および(2RR)-体を速やかに加水分解した. マウスにおける in vivo での4異性体の加水分解の立体選択性は肝臓ミクロゾームによる in vitro の選択性と同様であった. 4異性体中の(2RS)-体からのみ脳, 腎臓, 脾臓および肝臓ミクロゾーム中で cholesteryl (2R)-2-(4-chlorophenyl) isovalerate (CPIA-cholesterol ester) が生じたが, 血清からは生成しなかった. 肝臓における CPIA-cholesterol ester の生成速度は他の組織よりも小さかった. マウス腎臓ミクロゾーム中での (2RS)-体からの CPIA-cholesterol ester および酸側成分のCPIAの生成のpH依存性はほぼ等しく, 至適pH7.4~9.0であった.
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© 日本農薬学会
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