抄録
Bendiocarb は標題昆虫の幼虫に対し, 成虫より7倍毒性が低い. LD50はそれぞれ9.1および1.3μg/gである. 14C-Bendiocarb を, 幼虫・成虫のそれぞれに各LD50の1/10量点滴投与し代謝物を調べたところ, 前者では抱合代謝物が, 後者では bendiocarb phenol が主代謝物であった. 主代謝経路は, エステル加水分解, ついで生じたフェノールの抱合というものである. 上記と同様の投与量において幼虫と成虫の体内における親化合物残存量の経時変化を調べたところ, 幼虫体内残存量と成虫体内残存量の比はだいたい一定であり, 体内残存量の差異が幼虫成虫間の選択毒性の原因ではないことがわかった.