1988 年 13 巻 1 号 p. 99-105
ジフェニルエーテル系除草剤の6種類の湛水土壌中における半減期は, chlornitrofen (CNP) で9~173日, nitrofenで3~87日および chlomethoxynil で8~64日と, 土壌間で大きく異なった. しかし, 同一の土壌中では3種類のジフェニルエーテル化合物は類似した分解パターンを示した. これら化合物の分解速度と土壌の各種理化学的性質との間の相関性は認められなかったが, 分解速度と土壌の酸化還元電位 (Eh) 値との間に負の相関が認められた. Chlornitrofen の分解は土壌の preincubation 期間や有機物添加によって大きく影響され, 土壌の酸化還元電位が低いとき速やかに分解された.