Journal of Pesticide Science
Online ISSN : 1349-0923
Print ISSN : 1348-589X
ISSN-L : 0385-1559
13 巻, 1 号
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  • 田丸 雅敏, 小川 温樹, 西村 立己, 高橋 由雅, 佐々木 慎一
    1988 年 13 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    N-置換クロロメタンスルフォンアミド類が土壌処理による浸透性殺ダニ活性を有することを見いだした. ミカンハダニに対する活性と構造との関係を ORMUCS 法を用いて解析した. N-モノ置換体についてはスルフォンアミド部位のN-置換基のπ (疎水性), σI (電子的効果) そしてECS (立体的効果) により, また, N,N-ジ置換体についても, Σπ, ΣσI, そしてそれぞれのN-置換基のECSにより良好な識別式を得た. これらの結果は親水性の置換基程, また, 電子供与性で立体的に嵩高くない置換基程活性が高くなることを示唆した.
  • 片岡 隆博, 八田 隆行, 甲斐 浩幸
    1988 年 13 巻 1 号 p. 7-17
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    新規な1-[2-(2-置換ヒドロキシ-5-置換フェニル) アリル] イミダゾール類と関連化合物を合成した. アリルイミダゾール類は in vitro で灰色カビ病菌 (Botrytis cinerea) に対して高い活性を示した. その構造活性相関を物理化学的および構造パラメータを用いて, 重回帰分析により解析した. その結果, 分子の疎水性が活性にとり最も重要な因子であること, 分子の疎水性が増大するほど, またベンゼン環の5位の置換基の立体的嵩高さが減少するほど活性は増大することがわかった. しかし, ベンゼン環の5位の未置換は活性にとり好ましくなかった. またアリル基の二重結合を一重結合にすると, 活性は低下した. 今回のアリルイミダゾール類の活性は, 先に報告した対応する1-[1-(2-置換ヒドロキシ-5-置換フェニル) ビニル] イミダゾール類の活性に比べて高いことがわかった.
  • 戸田 和哉, 後藤 益夫, 菊池 靖夫, 森 倫平, 竹内 安智, 竹松 哲夫, 鈴木 昭憲
    1988 年 13 巻 1 号 p. 19-27
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    112種のN-aryl-2-methyl-2-arylpropanamides およびN-aryl-2-methyl-2-arylbutanamides を合成し, これらの除草活性を測定した. その結果, 多くの化合物は, タイヌビエ, イヌホタルイ, ミズガヤツリに対しポット試験で強い除草活性を示した. 二つのベンゼン環へ置換基を導入することによって, 活性は大きく変化することがわかった. アミン部分のメタ位のアルキル基と酸部分のオルト位の置換基は高い活性を示すために重要であった. しかし, アミン部分でのパラ位への強い電子吸引性基の導入と酸部分でのパラ位への嵩高い置換基の導入は, 活性に対し好ましくなかった. 112種のなかでN-(3-propylphenyl)-2-methyl-2-(2-methoxyphenyl) butanamide は, 最も強い活性を示し, ポット試験において0.625ga. i./aの薬量でノビエを完全に枯殺した.
  • 山岡 剛, 辻野 泰宏, 安藤 満, 中川 昌之, 石田 三雄
    1988 年 13 巻 1 号 p. 29-37
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    ピラゾレートの加水分解産物で除草活性の本体であるDTP[4-(2,4-ジクロロベンゾイル)-1,3-ジメチル-5-ヒドロキシピラゾール]の水中および土壌表面での光分解をピラゾール環またはベンゼン環を14Cで標識した化合物を用いて検討した. 太陽光にさらすと, DTPは土壌浸出水中で蒸留水中よりも12倍速く分解し, 半減期は約6日であった. 土壌浸出水中でのDTPの光分解の様相は2種類の土壌間で質的, 量的にきわめて類似していた. 2種類の土壌薄層上でDTPは太陽光により徐々に分解した. DTPはピラゾール環の1位と3位のメチル基の酸化, ベンゾイル結合の開裂, ピラゾール環およびベンゼン環の開裂を受け, 最終的には光無機化された. 水中や土壌表面からのDTPの揮散は認められなかった.
  • 後藤 武司, 安冨 範雄, 田中 晃, 大崎 憲生, 高尾 久, 川田 充康, 今田 順二, 遠藤 慶典, 梅津 憲治
    1988 年 13 巻 1 号 p. 39-47
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    メチルカルバマート系殺虫剤, カルボフランのアミノスルフェニル誘導体について検討を行なった. カルボフランのカルバミル窒素に硫黄を介してアミノ酸あるいはその類縁体を結合させた一連の化合物を合成し, それらの毒性ならびに各種害虫に対する殺虫活性を測定した. マウス急性経口毒性については, いずれの誘導体もカルボフランより著しく軽減された. 一方, イエバエ, ツマグロヨゴバイおよびアブラムシを用いた室内の一次スクリーニングにおいては少数の例外を除いて高い活性を示した. 親化合物のカルボフランと活性を比較した場合, 重量比較では劣るものの分子量を考慮すると同等あるいはそれ以上の活性を示す化合物も見いだされた. これらの優れた活性を示したいくつかの化合物を温室内のポット試験や圃場試験に供すると重量比較でもカルボフランと同等の活性を示した. 一連の誘導体のアセチルコリンエステラーゼ阻害活性はカルボフランに比較するといずれも微弱であった.
  • 片岡 隆博, 入田 隆行, 新川 求, 尾形 秀
    1988 年 13 巻 1 号 p. 49-55
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    16個の1-[1-(2-置換ヒドロキシ-5-置換フェニル) ビニル] イミダゾール類と9個の1-[2-(2-置換ヒドロキシ-5-置換フェニル) アリル] イミダゾール類の, 温室内ポット試験条件下での灰色カビ病菌 (Botrytis cinerea) に対する予防効果と治療効果を測定した. ポット試験の効果と先に報告した in vitro の殺菌活性との間の関係を, 物理化学的および構造パラメータを用いて重回帰分析により定量的に解析した. その結果 in vitro の活性が高くなればなるほど予防効果は高くなることがわかった. ビニルイミダゾール類の予防効果は対応するアリルイミダゾール類のそれに比べて持続性があった. また, ポット試験の治療効果は in vitro の活性が高くなるほど高くなることと, ベンゼン環の2位に2,6-ジクロロベンジルオキシ基が存在すると, 治療効果にとり好ましいこととが明らかになった. さらに分子の疎水性の効果については, in vitro 活性に対する正の効果と葉内での浸透移行性に対する負の効果とが互いに相殺されることにより, 治療効果は分子の疎水性には依存しないと考えられた.
  • クロロメタンスルホンアミドのハダニ類に対する活性 (第3報)
    小川 温樹, 嶋津 朋徳, 大石 利治
    1988 年 13 巻 1 号 p. 57-61
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    ワタの根部から吸収させたクロロメタンスルホンアミド (以下CMSAと略す) の葉中濃度とニセナミハダニ雌成虫に対する殺虫力の関係を経時的に追跡すると, 葉中濃度は処理3日後から5日後に最高に達し, その後減少傾向を示し, ニセナミハダニに対する殺虫力は9日間連続し追跡すると経時的に強くなった. ミカン苗木にCMSAを散布後葉面を水洗し, 葉中への移行濃度を調べると散布24時間後に最も高く, 72時間後では減少していた. また葉表を水洗せずそのまま葉体濃度を追跡すると, 時間の経過とともに減少した. 同時に, ミカンハダニ雌成虫に対する所定時間後の殺虫率は, これらの濃度と平行して変動した. 散布24時間後において, 葉面を水洗した場合の葉中濃度と水洗しなかった場合の葉体濃度における殺虫力は, 前者が後者より低薬量で高い殺虫力を示した.
  • N-Phenylcarbamates の殺菌活性 (第3報)
    高橋 淳也, 中村 成子, 野口 裕志, 加藤 寿郎, 鴨下 克三
    1988 年 13 巻 1 号 p. 63-69
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    ベンゼン環およびエステル部位に種々の置換基を有する N-phenylcarbamates を合成し, benzimidazole 系殺菌剤耐性の Botrytis cinerea (キュウリ灰色かび病菌) および Cercospora beticola (テンサイ褐斑病菌) に対する殺菌活性を, 茎葉処理ポット試験で測定した. その結果, methyl N-phenylcarbamates のベンゼン環置換基として3,4-ジエトキシ基が, N-(3,4-diethoxyphenyl) carbamates のエステル部位置換基としてイソプロピル基が, B. cinerea に対する殺菌活性に好ましいことがわかった. N-(3,4-Diethoxyphenyl) carbamates を対応するチオカーバメートあるいはアミドに変換したり, N-アシル化やN-メチル化を行なうと活性は低下した. Isopropyl N-(3,4-diethoxyphenyl) carbamate (diethofencarb) は浸透移行性を有し, C. beticola に対しても殺菌活性を有することが明らかとなった.
  • 大住 忠司, 水戸 信彰, 大塩 裕陸, 板谷 信重
    1988 年 13 巻 1 号 p. 71-75
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    ある種のアゾール化合物が, 植物成長調節作用を示すことに着目し, 1,2,3,4-テトラヒドロキノリン, 1,2-ジヒドロキノリン, ベンゾモルホリンおよび1,2,3,4-テトラヒドロ-2-キノキサリノンから導かれる種々のカルバモイルイミダゾールを合成し, タイヌビエに対する除草活性を調べた. 本系統化合物においては, 置換基が, 除草活性発現に重要であり, とくに, カルバモイルイミダゾール結合部位で込み入った構造となっている時に, 除草活性が強化されることが判明した. 試験化合物中, 良好な除草活性を示したN-(2,2-ジメチル-6-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン) カルボニルイミダゾールは, タイヌビエのみならず, 広葉雑草, マツバイ, ホタルイにも除草活性を示し, 広スペクトル除草剤としての可能性が示唆された.
  • ピラゾレート製剤に関する研究 (第5報)
    谷沢 欽次, 本間 豊邦, 河西 史人, 中村 利家, 石田 三雄
    1988 年 13 巻 1 号 p. 77-84
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    水稲の早期栽培期 (試験期間中の気温: 最高31℃, 最低9℃) にDTP粒剤, ピラゾレート粒剤ならびに懸濁剤を処理し, 除草効果試験と並行して田面水中のDTP濃度の推移および処理41日目の土壌中有効成分濃度を測定し, 各製剤からのDTPの生成を検討した. DTPの生成はDTPをピラゾレートに誘導することにより抑制され, ピラゾレート粒剤では懸濁剤よりさらに抑制された. とくに, 比表面積2.5m2/gを有するピラゾレートを用い, 田面水中で良好な崩壊分散性を示すように調製した押し出し造粒法による粒剤は, 約40日間にわたってDTPを生成し続けた. このような粒剤は, 下記の溶出機構の総合された, いわば化学的物理的溶出調節製剤であるということができる.
    1) DTPをピラゾレートへ誘導することによる溶解度の減少.
    2) 主剤の適度な微粉砕による潜在的な溶出力の保持.
    3) 粒剤に適度な崩壊分散性を持たせることによる溶出したピラゾレートの田面水中への拡散調節.
    4) ピラゾレートの加水分解に要する時間を利用したDTP生成の調節.
  • 上田 隆之, 貞包 眞吾, 山岡 剛, 中川 昌之, 石田 三雄
    1988 年 13 巻 1 号 p. 85-92
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    ピラゾレート [4-(2,4-dichlorobenzoyl)-1,3-dimethyl-5-pyrazolyl p-toluenesulfonate] とその加水分解物であるDTP [4-(2,4-dichlorobenzoyl)-1,3-dimethyl-5-hydroxypyrazole] およびPTSA (p-toluenesulfonic acid) のグッピーとアサリにおける生物濃縮性と代謝を14C化合物を用いて調べた. ピラゾレート0.33ppbまたは32.3ppbを含む水中でグッピーを飼育したところ, 14Cから求めた濃縮倍率 (UF値) はそれぞれ590または290倍であった. DTP 0.37ppbまたはPTSA 2.91ppbの水中でグッピーを飼育した場合には, UF値はそれぞれ15倍または1以下であった. ピラゾレート2.06ppbまたはDTP 48.4ppbを含む人工海水中で飼育したアサリの場合にはUF値はそれぞれ52または6.2倍であった. グッピーおよびアサリを薬物を含まない水中へ移すと, これらの魚貝類中の14C濃度はいずれの場合にも速やかに減少し, 生物濃縮される傾向は見られなかった. 魚貝類中においてピラゾレートは, まず, DTPとPTSAに加水分解され, DTPはさらに, 1位および3位のメチル基の酸化や4位のベンゾイル基の開裂等の代謝を受け, より極性の高い代謝物を生成することがわかった.
  • 中村 利家, 持田 和男
    1988 年 13 巻 1 号 p. 93-98
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    藻類に起因する農薬の吸収と分解の動力学的解析・評価を, 緑藻の Selenastrum capricornutum および有機リン系殺虫剤を用いて検討した. 藻類の対数増殖期, 定常状態期および全増殖域について, fenitrothion, diazinon および cyanophos の藻類に起因する消失速度定数 (kA) を, 他の光および培地に起因する消失速度定数 (それぞれkνおよびkM) と区別して算出した. 得られた定常状態期に対するkA値は, いずれの化合物でも対数増殖期に対するkA値より大きく, fenitrothion で約1.3倍, diazinon と cyanophos で約2.5倍の差があった. 全増殖域に対するkA値はその中間で, 前者に近い値であった. kν およびkM値も算出し, 定常状態期に達した後の各消失要因の寄与率の比較も試みた.
  • 小山田 正美, 鍬塚 昭三
    1988 年 13 巻 1 号 p. 99-105
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    ジフェニルエーテル系除草剤の6種類の湛水土壌中における半減期は, chlornitrofen (CNP) で9~173日, nitrofenで3~87日および chlomethoxynil で8~64日と, 土壌間で大きく異なった. しかし, 同一の土壌中では3種類のジフェニルエーテル化合物は類似した分解パターンを示した. これら化合物の分解速度と土壌の各種理化学的性質との間の相関性は認められなかったが, 分解速度と土壌の酸化還元電位 (Eh) 値との間に負の相関が認められた. Chlornitrofen の分解は土壌の preincubation 期間や有機物添加によって大きく影響され, 土壌の酸化還元電位が低いとき速やかに分解された.
  • メタンスルホナート殺虫剤の構造活性相関 (第1報)
    加藤 彰一, 桝井 昭夫, 石田 秀弌
    1988 年 13 巻 1 号 p. 107-115
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    種々な置換フェニル アルカンスルホナート類を合成し, それらの殺虫活性を調べた. そのなかで3-アルキルチオフェニル アルカンスルホナートとそのスルホキシド体およびスルホン体に殺虫活性を見いだした. とくに3-n-プロピルチオ誘導体, 3-イソブチルチオ誘導体とそのスルホン体はツマグロヨコバイおよびトビイロウンカに対して高活性を示した. 種々な3-n-C3H7S(O)x置換フェニル アルカンスルホナートの中ではメタンスルホナートが最も高活性であった. 高い殺虫力を有したこれらのスルフィド体およびスルホキシド体はツマグロヨコバイとトピイロウンカの虫体磨砕物であるアセチルコリンエステラーゼ標本に対し低い阻害作用しか示さないが, スルホン体は強い阻害作用を示した.
  • クロロメタンスルホンアミドのハダニ類に対する活性 (第4報)
    小川 温樹, 嶋津 朋徳, 篠原 録郎
    1988 年 13 巻 1 号 p. 117-124
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    クロロメタンスルホンアミドのミカンハダニ, ニセナミハダニおよびスギノハダニに対する防除効果を, それぞれスプリンクラー散布, 種子粉衣および主幹注入法によって検討した. スプリンクラー散布によるミカンハダニの防除効果は, 葉面に付着した薬液の浸透殺ダニ力と土壌表面に落下した薬液が根部から吸収されて発揮する殺ダニ力があわさるので, 慣行散布より高かった. 棉種子の粉衣処理では, 種子当り有効成分2%の濃度でニセナミハダニに高い防除効果を示し, 播種方法が条播より点播においてその効果が高かった. スギに寄生するスギノハダニに対する防除効果は主幹注入により樹当り (樹高4.5m) 有効成分4gの注入で高かったが, その薬効は樹齢により薬量の調整を必要とすると考えられた.
  • 高橋 正三, 武川 恒, 高林 純示, Maimon ABDULLAH, Aljunid S. FATIMAH, Maryati MOHAM ...
    1988 年 13 巻 1 号 p. 125-127
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    ワモンゴキブリの性フェロモンの一つペリプラノンB (PB) の合成化合物を使って, Periplanete 属, Blatta 属6種の雄に対する性フェロモン活性を実験室内で生物検定した. その結果, ワモンゴキブリ以外にヤマトゴキブリ, トビイロゴキブリ, トウヨウゴキブリにもフェロモン活性があった. ゴキブリの生息地域における誘引試験でも, 合成PB 0.5μg含有錠剤はワモンゴキブリ, トビイロゴキブリ, ヤマトゴキブリに有効であった.
  • 片木 敏行, 菊園 康雄, 三上 信可, 松田 正, 宮本 純之
    1988 年 13 巻 1 号 p. 129-132
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    酸側にシクロプロパン環を有するピレスロイドの光反応を, 半経験的分子軌道法 (CNDO/2, CNDO/S, MNDO) により理論的に考察した. カルボニル励起を想定した場合, シクロプロパン環のC1-C3結合が励起状態において弱まることがCNDO/S計算により推定され, これに続く結合切断により光異性化反応の進行することが考えられた. 同様の励起状態の考察, ならびにモデル反応の解析から, ラジカル反応機構を経由する脱ハロゲン化反応がシクロプロパン環に対してE-配置で起こりやすいことが示唆された. このような理論的な考察から推察される結果は実験結果とも一致していた.
  • 片木 敏行, 菊園 康雄, 三上 信可, 松田 正, 宮本 純之
    1988 年 13 巻 1 号 p. 133-136
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    除草剤ブロモブチドの水中光分解, 哺乳動物代謝における代謝, 分解部位について, 半経験的分子軌道法CNDO/2を用いた理論的考察を行なった. フロンティア軌道理論から導かれたラジカル反応指数fRによる反応部位の予測は実験結果と良い一致を示し, 光励起による結合強度の変化から脱ブロム化反応が解釈できた. 哺乳動物代謝におけるブロモブチドの酸化部位は, 反応指数fEにより説明された. また, 理論計算ならびに電気化学的測定の結果から, 生代謝反応である脱ブロム化反応は, 還元的に進行することが支持された.
  • T. R. FUKUTO
    1988 年 13 巻 1 号 p. 137-150
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 日本農薬株式会社開発部登録センター
    1988 年 13 巻 1 号 p. 153-156
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    各種毒性試験を実施し, フルトラニルの安全性を評価した.
    その結果, 本剤のラットおよびマウスにおける急性経口LD50値は10,000mg/kg以上であり, 低毒性化合物と判断された. 皮膚に対してごく軽微な刺激性を示したが, 眼に対しては刺激性を示さなかった. ラットの亜急性および慢性毒性試験においては, 高用量群で体重増加抑制, 肝重量あるいは肝体重比の増加, 肝の空胞変性あるいは肝細胞肥大が観察された. またイヌの慢性毒性試験では, 嘔吐, 軟便等の症状, 体重増加抑制, 腸管の充血等が認められた. しかし, いずれの試験においてもフルトラニル投与に起因すると考えられる重篤な慢性毒性や催腫瘍性は認められず, 変異原性も陰性であった. 繁殖や次世代にも悪影響を及ぼすことはなく, 催奇形性も認められなかった.
    本剤は, 昭和60年に, イネ, バレイショ, ムギ類, ナシ, 野菜の対象病害に対して登録を取得し, その後昭和62年にテンサイの葉腐病・根腐病, フキおよびコンニャクの白絹病にその適用が拡大された. 登録保留基準値は, コメ: 1ppm, ムギ・雑穀: 2ppm, 果実: 5ppm, 野菜: 2ppm, イモ類: 0.2ppm, テンサイ: 1ppmと設定されている.
    フルトラニルは, 低毒性で安全性が高い薬剤であり, 定められた使用基準を遵守すれぼ農業資材の一つとして有用であると考えられる.
  • Registration Section, Plant Protection Department
    1988 年 13 巻 1 号 p. 157-162
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    A wide variety of toxicological studies on paraquat dichloride have been conducted in Japan to assess its safety. The results of these studies support the view that this herbicide will be safe if used following the recommended use instructions.
  • 日本特殊農薬製造株式会社開発本部技術部
    1988 年 13 巻 1 号 p. 163-166
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    各種毒性試験を実施し, ペンシクロンの安全性評価を行なった.
    ペンシクロンのラットとマウスに対する急性毒性はきわめて低く, 普通物に相当した. 皮膚に対する一次刺激性は見られず, 眼一次刺激性および感作性は軽度であった. 亜急性毒性および慢性毒性試験においては, 高薬量群で体重増加抑制, 肝重量の増加, 肝細胞の肥大等が認められたが, 発癌性は認められなかった. 繁殖性に及ぼす影響, 催奇形性および変異原性は認められなかった.
    ペンシクロンは昭和60年9月に稲, ばれいしょ, てんさい, トマト, きゅうり, なす, いぐさの対象病害に対し登録を取得し, 登録保留基準値は, 米; 0.5ppm, 野菜; 1ppm. いも類; 0.5ppm, 糖類; 1ppmと設定された.
    ペンシクロンは定められた使用基準を遵守すれば, 安全性が高い薬剤であり, 農業資材の一つとして有用であると考えられる.
  • 石原産業株式会社農薬事業部開発企画室
    1988 年 13 巻 1 号 p. 167-169
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    各種毒性試験を実施し, ピラゾキシフェンの安全性を評価した. 本剤の急性毒性は弱く普通物相当であり, 刺激性は, 眼に対してごく軽度にみられたが, 皮膚ではみられなかった. 慢性毒性・発がん性試験の結果, 主な中毒的変化として中または高投与群における体重増加の抑制, 肝重量の増加および肝細胞腫大 (マウス) または, 胆管増生, 腺維化 (ラット) がみられた. 腫瘍性病変は検体投与と関連がなかった. また, 繁殖性に対する影響および催奇形性は認められなかった.
    ピラゾキシフェンを有効成分とする農薬は, 昭和60年2月21日農薬登録され, 登録保留基準を0.1ppm (コメ) に設定された.
    ピラゾキシフェンは, 定められた安全使用基準を遵守することにより, 安全性が確保されるものであり, 有用な農業資材の一つとして上市以来好評を得ている.
  • 農薬の環境科学的諸問題
    鍬塚 昭三, 片山 新太
    1988 年 13 巻 1 号 p. 171-172
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 遠藤 正造
    1988 年 13 巻 1 号 p. 173
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 田中 謙, 和田 健夫
    1988 年 13 巻 1 号 p. 174-175
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 奥 八郎
    1988 年 13 巻 1 号 p. 176-177
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 橋本 研介
    1988 年 13 巻 1 号 p. 178-179
    発行日: 1988/02/20
    公開日: 2010/08/05
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