Journal of Pesticide Science
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除草剤ピラゾレートの水田土壌における分解
山岡 剛重松 由夫安藤 満当寺ケ盛 学中川 昌之石田 三雄
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1988 年 13 巻 4 号 p. 571-577

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抄録

ビラゾレートの土壌中での分解についてピフゾール環および塩素化ベンゼン環それぞれ別々に14Cで標識した化合物を用いて室内条件で検討した. ピラゾレートはエステル結合の加水分解を受け, p-トルエンスルホン酸 (PTSA) と除草活性の本体である4-(2,4-ジクロロベンゾイル)-1,3-ジメチル-5-ヒドロキシピラゾール (DTP) を生成した. 2種類の土壌中での湛水条件下での半減期は約10日であった. ベンゼン環を14Cで標識したPTSAは土壌中で速やかに炭酸ガスにまで分解されたがDTPは徐々に分解された. DTPは1位と3位のメチル基の酸化, ベンゾイル結合の開裂, ピラゾール環およびベンゼン環の開裂を受け, 最終的には炭酸ガスにまで分解された.

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