Journal of Pesticide Science
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バキュロウイルスベクターを用いた外来遺伝子の4種の鱗翅目昆虫における発現
永峰 俊弘栗原 政明松本 正吾満井 喬
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1994 年 19 巻 1 号 p. 33-38

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抄録

トランスファーベクター, pAcYM1を用いて, ポリヘドリン遺伝子をクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ (CAT) 遺伝子に置換した組換え Autographa californica 核多角体病ウイルスを作製した. この組換えウイルスを Spodoptera frugiperda 細胞に接種したところ, 接種後24時間には高いCAT活性が認められた. 培養液中のウイルスタイターは接種後12時間から24時間にかけて急激に増加し, その後次第に最高値に達した. 4種の鱗翅目昆虫, ハスモンヨトウ (Spodoptera litura), カイコ (Bombyx mori), ヨトウ (Mamestra brassicae), アワヨトウ (Pseudaletia separata) に組換えウイルスを接種した場合, いずれの種においてもウイルス由来のCAT活性が認められたが, 発現様相が種によって異なっていた. 体液中のウイルスタイターの経時変化から, 組換えウイルスの増殖速度の違いがこの発現様相の相違に影響していることが示唆された.

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