抄録
本報ではクロルジメホルム塩酸塩 (N-(4-chloro-o-tolyl)-N′, N′-dimethylformamidine HCl, CDF) およびその代謝物の殺虫性, 惹起する中毒症状および筋電位に及ぼす影響などについて, アワヨトウ (一部カイコガを含む) を材料として実験を行なった. また, クロルジメホルムおよび代謝物デスメチルクロルジメホルム (N-(4-chloro-o-tolyl)-N′-methylformamidine, DMCDF) の示すモノアミンオキシダーゼ (MAO) 阻害作用とそれら殺虫性との相関を明らかにするため, 特異的MAO阻害剤についても同様に影響を検討した. その結果, CDF, DMCDFはアワヨトウ成虫の筋肉に反復興奮を引きおこし, 殺虫性と筋電位刺激作用との間に相関が認められた. また, CDF, DMCDFはアワヨトウ, カイコ両種の幼虫に対しては興奮的な中毒症状を惹起し, 顕著な摂食阻害性が認められた. MAO阻害剤は殺虫性, 筋電位刺激作用とも著しく弱く, また明確な中毒症状も見いだせなかった.