Journal of Pesticide Science
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プロベナゾール (オリゼメート®) のイネいもち病菌生活環の各過程に対する作用について
渡辺 哲郎
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1977 年 2 巻 4 号 p. 395-404

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抄録

イネいもち病防除に有効なプロベナゾール (オリゼメート®) の本病病原菌の各過程に対する作用について研究を行なった. 各種植物病原細菌および糸状菌に対するMICは800ppm前後であった. いもち病菌に対する作用では胞子発芽のみに対する50%発芽阻止濃度は約33ppmであったが, 胞子を薬液に懸濁してイネ葉鞘裏面に接種するとわずか10ppmで高い侵入阻止効果が認められ, イネ体の関与が示唆された. セロファン膜を用いた in vitro の試験で付着器形成および侵入に対する強い阻止効果が認められた. 病斑拡大阻止効果ならびに分生胞子形成阻止効果も in vitro の系より in vitro において強く認められた. したがってプロベナゾールは強い侵入阻止効果を含むこれらの作用が総合されて in vitro において高い効果を発揮するものと考えられた. なおプロベナゾールの代謝産物である 1, 2-benzisothiazole-1, 1-dioxide の上記諸過程における作用はいずれもプロベナゾールより弱いものであった.

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