Journal of Pesticide Science
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数種の動物における肝薬物代謝酵素の誘導と突然変異原の活性化能
鈴木 裕岸田 文雄宮本 純之
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1977 年 2 巻 4 号 p. 421-426

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抄録

突然変異性発ガン性化合物のスクリーニング方法として一般的に用いられている Ames の方法について, その in vitro 代謝系の改良をするため, PCB, フェノバルビタールおよび3-メチルコラントレンのそれぞれを投与し薬物代謝系を誘導したラット, マウス, モルモット, ハムスター, およびウサギよりの肝臓S-9画分を用い, サルモネラ菌TA98株, TA100株の突然変異体出現数の変化を調べた.
5動物種12系統のなかで, PCB処理ハートレー系モルモットより得たS-9画分は, 3種の異なった化合物 (ベンツ (a) ピレン, 2-アセチルアミノフルオレン, ジメチルニトロソアミン) の変異性検出において, 通常用いられているPCB処理SDラットよりすぐれていた. また3-メチルコラントレン処理モルモット (ハートレー系) は, PCB投与SDラットとほぼ同等であることが認められ, ハムスターのS-9は, DMNの突然変異の検出に有効であった.
一方, ウィスター系およびフィッシャー系ラット, ICR系, dd系マウス, ウサギ, などは, SD系と比較してとくにすぐれているとはみなせない.

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© 日本農薬学会
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