Journal of Pesticide Science
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1, 3, 5-トリアジン系硝酸化成抑制剤の作用部位
村上 学高木 聡子高橋 巌徳山 龍明佐藤 幸治Johannes Willem VONK若林 攻
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1995 年 20 巻 4 号 p. 471-477

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抄録

1, 3, 5-トリアジン系化合物を用いて畑土壌中での硝酸化成抑制効果 [pI50 (soil)] を求めた. さらに, このpI50 (soil) を Briggs の土壌吸着を考慮して, pI50 (soil-water) に換算した. 次に, 作用部位を明らかにするために Nitrosomonas europaea ATCC 25978株に基質として, (NH4)2SO4とNH2OH・HClを用いて, それぞれの亜硝酸生成量を測定し, 抑制効果のみられた (NH4)2SO4基質ではpI50 (cell-suspension) を求めた. それぞれのpI50値は疎水性パラメータ (logP) との間に2次式での良好な相関関係がみられ, 最適logPが求められた. また, N. europaea ATCC 25978株を用いた抑制試験では基質にNH2OH・HClを用いた場合には, まったく亜硝酸生成を抑制せず, (NH4)2SO4を用いた場合のみ, 抑制作用を示したことから, N. europaea ATCC 25978株の Ammonia monooxigenase が作用部位であることが示唆された.

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